取引先倒産の場合の債権回収
■債権回収のポイント
取引先が倒産した場合に問題となるのは、他の債権者との関係です。
倒産する企業は複数の相手からの債務を抱えていることが多く、そのすべてを弁済することは当然できません。そのため、各債権者は債務者の財産を分け合う関係に立ちます。
そこで、債権を最大限回収するための工夫が必要になります。
■取引先倒産の場合にすべきこと
〇情報収集
取引先が倒産することが分かったら、まず、その企業についての情報を収集します。実際に倒産状態にあるのか、倒産するとして再建型・清算型のどちらの手続きを利用することになるのかを確認しましょう。
会社更生や民事再生といった再建型の手続が利用される場合、企業の営業は継続することになります。これに対して破産手続が利用される場合、企業の営業は停止し、財産の分配が行われます。
〇商品の引き上げ
取引先に対して継続的に商品を売りつけており、所有権留保の特約が定められている場合には、商品の引き上げを行うことが可能です。
所有権留保とは、売買代金が完済されるまでの間、商品の所有権を売主の下にとどめておくという契約です。これを実行することにより、代金債権を回収できないまま一方的に商品を失うという事態を回避することができます。
所有権留保の特約が定められていない場合には、債務不履行を理由として売買契約を解除し、返還を求めることが考えられます。
〇相殺
相殺とは、互いの金銭債権を同じ金額ずつ消滅させる意思表示を言います。
例えば、こちらが取引先企業に対して500万円の債権を有しており、取引先企業はこちらに対して400万円の債権を有しているという場合を考えてみましょう。取引先企業は倒産間近となっているため、まとまった金銭を支払うことはできません。したがって、通常の弁済を求めるのは容易ではありません。しかし、相殺によって互いの債権を400万円ずつ消滅させることができれば、こちらとしては会社の負債を400万円減らすことができ、400万円の支払を受けたのと同様の経済状態を実現することができます。
このように、相手の手元に十分な金銭が残っていない場合であっても、相殺によって債権を回収することができます。
〇抵当権や保証
債権に抵当権等の担保権が設定されていた場合、これを実行することによって、他の債権者に優先して弁済を受けることができます。
また、債権に保証人がついている場合、保証人に対して弁済を求めることができます。
山室法律事務所では、大阪市北区を中心に法律相談を承っております。民事トラブルや企業法務から刑事事件まで幅広い分野に対応しておりますので、大阪府、兵庫県、奈良県、京都府、滋賀県でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
基礎知識Basic knowledge
-
遺言書の作成
■遺言書には3種類ある遺言書には、誰に何を相続させるかを指定する法的効力があります。ただし、遺言書がこのような […]
-
顧問弁護士
弁護士との顧問契約についてお悩みの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。このページでは、企業法務に関する様 […]
-
債権回収の手続きにお...
■電話による催促債権回収を行うにあたって最初に取るべき手段が、電話や口頭による催促です。債権者本人による催促で […]
-
養育費を払わない元配...
離婚後に、元配偶者が養育費を支払ってくれないということは少なくありません。当記事では、養育費を支払ってくれない […]
-
家族に内緒で自己破産...
自己破産をお考えになっている方のお悩みとしてもっとも多いのが、周囲に自己破産をしたことがバレないかというもので […]
-
税務訴訟・行政事件
■行政訴訟とは?行政訴訟とは、国や公共団体を相手取り、行政処分の効力などを争って提起される訴訟のことを言います […]
よく検索されるキーワードKeyword
資格者紹介Staff
山室 匡史Tadashi Yamamuro
弁護士登録以降、一般民事事件(交通事故、相続、離婚、金銭トラブル等)、刑事事件を問わず手広く事件を手がけてきました。
これまでの経験を生かしつつ、皆様にもっとも適した解決策をともに考え、実践していければと思っております。
気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
所属団体
- 大阪弁護士会
- 刑事弁護委員会
経歴
- 平成10年3月 関西大学法学部卒業
- 平成18年10月 弁護士登録
- 平成27年12月 山室・岡田法律事務所開設
- 平成29年3月 山室法律事務所に変更
山室法律事務所へ
未払い残業代トラブルや不当解雇などを解決するために法律手続きをお考えでしたら、山室法律事務所にご相談ください。
労働トラブルを解決するための法律手続きには、通常訴訟と労働審判があり、簡略的な手続きで解決する労働審判が主流になっています。
山室法律事務所はこれまで様々な労働トラブルに対応してきた実績・判例の蓄積があるため、ご相談を受けてから解決まで、スムーズな流れで対応することが可能です。
気になる費用のことなども、お気軽にお問い合わせください。
事務所概要Office Overview
名称 | 山室法律事務所 |
---|---|
所在地 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6-2-16 つたや第5ビル401 |
TEL/FAX | TEL:06-6809-7763/FAX:06-6809-7764 |
代表者 | 山室 匡史 ( やまむろ ただし ) |
対応時間 | 平日 9:30~18:30 |
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |