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税務訴訟・行政事件

■行政訴訟とは?
行政訴訟とは、国や公共団体を相手取り、行政処分の効力などを争って提起される訴訟のことを言います。

 

民事訴訟が対等な私人の間での訴訟であるのに対し、私人と公権力主体の間での訴訟である点が行政訴訟の大きな特徴です。

 

■行政訴訟の種類
行政訴訟の手続を定めた行政事件訴訟法では、抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟の4種類が認められています。

 

〇抗告訴訟
抗告訴訟とは行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟を言い、取消訴訟・無効確認の訴え・不作為の違法確認の訴え・義務付け訴訟・差止訴訟に分かれます。

 

取消訴訟は、行政処分の効力を取り消すことを求める訴訟です。無効確認の訴えは、処分の効力が初めから無効であったことを確認することを求める訴訟です。取消訴訟と無効確認の訴えは似ていますが、出訴期間を経過する前は取消訴訟、経過後は無効確認の訴えを提起するのが一般的です。

 

不作為の違法確認の訴えは、行政庁が必要な処分をしない場合や申請に対する処分をしない場合に、その違法を確認する訴えです。

 

義務付け訴訟は、行政庁に対して、一定の処分を行うことを義務付ける訴訟です。

 

差止訴訟は、一定の処分が行われようとしている時に、その処分の差し止めを求める訴訟です。取消訴訟や無効確認の訴えが事後的なものであるのに対して、差止訴訟は処分が行われる前の段階で争う点に特徴があります。

 

〇当事者訴訟
当事者訴訟は抗告訴訟と民事訴訟の中間に位置付けられている訴訟類型です。当事者訴訟の中には、形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟があります。

 

形式的当事者訴訟とは、処分により確認・形成された法律関係をめぐる訴訟であって、(処分を行った行政庁ではなく)法律関係の当事者を被告とすることが法令上定められているものを言います。

 

実質的当事者訴訟とは、私人が公共団体に対して公法上の法律関係の確認を求める訴訟を言います。

 

〇民衆訴訟
民衆訴訟とは、選挙訴訟や住民訴訟のような、一個人の法律上の権利利益とは無関係に行われる訴訟を言います。

 

〇機関訴訟
機関訴訟とは、国または公共機関同士が当事者となって争う訴訟を言います。

 

■税務訴訟とは?
税務訴訟は取消訴訟の一種で、中でも違法な課税処分の取り消しを求めるものを言います。

 

国が課税を行うためには法律上の根拠がなくてはならないとされていますが(憲法84条)、法律の解釈や適用をめぐって国と納税者の立場が食い違うことも考えられます。そこで納税者が課税処分の効力を争うのが、税務訴訟です。

 

税務訴訟には不服申立前置主義がとられているため、税務訴訟を提起するにあたっては、事前に異議申し立てや審査請求を行う必要があります。これを行っても主張が認められなかった場合に、はじめて訴訟を提起できることになります。

 

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山室 匡史弁護士

山室 匡史Tadashi Yamamuro

弁護士登録以降、一般民事事件(交通事故、相続、離婚、金銭トラブル等)、刑事事件を問わず手広く事件を手がけてきました。

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  • 大阪弁護士会
  • 刑事弁護委員会

経歴

  • 平成10年3月 関西大学法学部卒業
  • 平成18年10月 弁護士登録
  • 平成27年12月 山室・岡田法律事務所開設
  • 平成29年3月 山室法律事務所に変更
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