相続手続き
相続手続きの中には、期限が定められているものもあります。そのため、各手続きの期限を把握しつつ、計画的に進めていくことが大切になります。
〇死亡後3か月以内
・法定相続人の確定
葬儀が終わったら、最初に取り掛からなくてはならないのが法定相続人の確定です。被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍を取り寄せて親族関係図を確定し、法定相続人を確定します。
・遺言書の有無の確認
被相続人の自宅等を探し、被相続人が遺言書を作成していないか確認します。公正証書遺言以外の遺言が出てきた場合には、家庭裁判所で相続人立会いの上、検認手続きを行います。
・相続財産の調査
相続財産には、銀行預金や不動産、有価証券等の正の財産と、借金等の負の財産があります。相続財産の概要をリストアップし、金額についても大まかに計算します。
・相続放棄や限定承認の申立て
相続放棄とは全ての相続財産を受け継がない意思表示を言い、限定承認とは受け継いだ財産の範囲内で被相続人の債務を引き受ける意思表示を言います。これに対し、相続財産を受け継ぐ意思表示を単純承認と言います。
相続放棄や限定承認をするためには、被相続人の死亡から3か月以内に家庭裁判所で申述する必要があります。なお、申述をすることなくこの期限を過ぎると単純承認したものとみなされます。
〇死亡後4か月以内
・被相続人の準確定申告
所得税は、1月1日から12月31日までの期間ごとに計算され、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告と納税を行うことになっています。
被相続人に所得があった場合、亡くなった年の1月1日から死亡日までの間に発生した所得については相続人が申告しなくてはなりません。これを準確定申告と言います。
準確定申告は被相続人の死亡後4か月以内に行う必要があります。
〇死亡後10か月以内
・遺産分割協議
遺言書のない相続では、民法上の法定相続分に応じて各相続人が全ての相続財産を共有している状態となります。しかし、これでは相続財産を自由に利用・処分することができませんから、各相続人の合意によって各相続財産を分配し、単独所有状態にするのが一般的です。これを、遺産分割協議と言います。
また、遺言書によって遺産の分配方法が支持されている場合であっても、相続人全員の合意があれば、遺言内容と異なる遺産分割をすることができます。
遺産分割協議が完了したら、合意内容をまとめ、相続人全員で署名押印して遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、相続人の人数分作成して各自1部ずつ保管します。
・相続登記
不動産を取得した相続人は、法務局に必要書類を提出し、不動産の登記名義を変更します。
・相続税申告
相続税が発生する場合、被相続人の死亡後10か月以内に相続税の申告と納付を行います。
相続税申告は、被相続人の住所地を管轄する税務署に、申告書と必要書類を提出することによって行います。
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山室 匡史Tadashi Yamamuro
弁護士登録以降、一般民事事件(交通事故、相続、離婚、金銭トラブル等)、刑事事件を問わず手広く事件を手がけてきました。
これまでの経験を生かしつつ、皆様にもっとも適した解決策をともに考え、実践していければと思っております。
気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
所属団体
- 大阪弁護士会
- 刑事弁護委員会
経歴
- 平成10年3月 関西大学法学部卒業
- 平成18年10月 弁護士登録
- 平成27年12月 山室・岡田法律事務所開設
- 平成29年3月 山室法律事務所に変更
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